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アニメーションを愛してやまないガレージフィルムのスタッフによるオリジナル作品。アニメーターはどのようなことを考えてアニメーションを作っているのか?細部に宿る様々なこだわりも含めてご紹介。

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  • キャラクターアニメーションを得意とし、コミカルで愛らしい表現から、リアルな手付けまで幅広く対応。Houdiniを活用したプロシージャルなワークフローも取り入れており作業のバリエーションは広い

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Loop Project Vol.1 ハロウィーン篇

はじまり

ある年のハロウィーンが近づく季節、ふと思ってしまいました

「ずっと観ていられる」そんなムービーを作りたい

せっかくなのでテーマをハロウィーンに設定し、オリジナルムービーの制作にとりかかりました
ずっと観ていられる = ループムービー ですよね
さてどうしよう

モチーフ

まずはモチーフを考えます
ハロウィーンといえば「カボチャ」
ネットでイメージ検索すると、出てくる出てくる色んなカボチャ
やっぱり中に明かりが灯ってるこんなイメージだな~
ちょっと顔が怖いからもう少し可愛くしたいけど

実際の参考画像をAIで少し変更しています

構成

さてモチーフが決まったところで、どんな構成の映像にしようか・・
ぼんやり考えていると、何故かいくつものカボチャが輪になってグルグル回っている画が浮かびました
が、ただそれだけが浮かんだだけなので

自分A「んで・・?」
自分B「んで、って(汗)」

しばらく自問自答がはじまります

自分A「そのカボチャ達は生きてて走り回ってるの?」
自分B「いや~、、生きてると怖い気がする」
自分A「じゃあ?」
自分B「生きてないのに回ってる、から・・」
自分A「から?」
自分B「勝手に回るオモチャ的な、インテリア的な~・・飾れるオモチャ!そう、ずっと見ていられる飾れるオモチャ!」
自分A「だなっっ!」

ずいぶん偉そうな自分Aはさておき、おかげさまでやる事が明確になってきました。
「定点カメラが、ただただ回り続けるオモチャを写している」
そんな構成にしたいと思います
という事でMAYA(CGソフト)を起動し、ざっくりテストシーンを作ってみます

テストをすると見えてくる問題点

とにかく観ていて退屈 ずっと観ているなんて地獄

これは問題点でもあるが、改善点でもある!
そう、このテスト動画は可能性のかたまり!
落ち着いて考えます(汗)

①オモチャに要素が足りない
②動きの要素も全然足りない

の2点 ここを考えていけば多分大丈夫!

①要素が足りない問題

今は「カボチャ」と「ハロウィーン文字」の2つの要素のみ
もちろんこれ以外にも要素を足す予定ではありましたが、ちょっとやそっとでは足りなそう
ハロウィーン的なものをちりばめよう
どうせなら見る人の目が追い付かないほどにちりばめよう!

ということで、あれこれ落書きしながら考えます
「あめ玉、お菓子でキラキラ~」より、少し大人な「ホラー寄り」をイメージしつつ

並んだカボチャ達にも色んな表情・個性があると良さそう
形も太め、細め、様々な方が楽しそう
ここで使用CGソフトをMAYAからHoudiniに切り替える事にします
色んな形のパターンを作るのがHoudiniはとても得意なんです

②動きの要素が足りない問題

これは追加した要素たちに、それぞれ丁寧に動きをつけていけば問題なし
カボチャ達も、ただただ回っているだけじゃなく、もう一歩ギミックを考えてみました

自分ルール

今回目指したいのは、架空とはいえ実際にあってもおかしくなさそうなオモチャ
そこで1つの自分ルール
CGアニメーションって何でもできてしまうんですが、今回は現実世界ではありえない動きは絶対にしない事(浮くとか、消えたり、出現したり、ぐにゃぐにゃ変形する etc)
そういうアニメ的な表現が目に入った瞬間に見ている人は冷めてしまいます

逆に1つ1つの動きを細かくリアルにアニメーションすることが出来れば、このムービーの没入感は増すはずです
質感やライティングもしかり リアルであるべきですね

よーし、がんばる

完成

完成いたしました
いかがでしょうか?今回の私のねらいが伝わってもらえると嬉しいです

最後に裏設定、 実は6匹のカボチャたち
口の形が順番に「ハッ」「ピー」「ハ」「ロ」「ウィー」「ン」