Original Works
アニメーションを愛してやまないガレージフィルムのスタッフによるオリジナル作品。アニメーターはどのようなことを考えてアニメーションを作っているのか?細部に宿る様々なこだわりも含めてご紹介。
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作業効率を磨きつつ、その先にある質の高いアニメーションを目指す2Dアニメーター。表現と作業性の両方を大切にし、プログラミング言語も活用しながらより良い動きを追求しています。
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Gush & Fino Vol.1 ティザー篇
はじまり
本サイトのいたるところで見かける、
赤と青のまるっとした2匹のキャラクター。
「Gush & Fino」(ガッシュ&フィーノ)は、弊社発信のアニメーションを制作するにあたり2025年の秋に生まれた、ガレージフィルムのオリジナルキャラクターです。
落ち着いた性格のガッシュと、お調子者のフィーノ。
2匹はとても仲良しで、ガッシュは「形を作る」こと、フィーノは「色を付ける」ことが大好きです。
今回、そんな2匹のお披露目となる、短いティザームービーを制作するにあたり、筆者はアニメーション作画を担当することになりました。
スタッフ構成
制作工程(構成・イメージ段階)
今回の映像制作において、押さえるべきポイントは以下の通りでした。
- 秒数は長すぎず、大体30秒以内に調整すること
- 可愛らしい動きをメインにしたアニメーション
- 2匹らしい要素を出す(ガッシュとフィーノの設定を参照)
- 他の仕事と並行して、年内に完成すること(大事!!)
スケジュールの流れで、11月半ば頃からアニメーション作業が始動しました。いただいた絵コンテを読み込み、イメージを固めていきます。
ガッシュとフィーノは、三角の耳、目と鼻のみの顔、丸っこくてやわらかそうな胴体で構成されている、シンプルなキャラクターです。今回は、キャラクターが生まれてから初めてのアニメ化となりますので、まずは、動きの仕様から決めていく必要がありました。
- キャラはどんなふうに移動する?
- 体をどう動かして跳ねる?
- 各パーツはどれくらい動く?
- ジャンプするとどう揺れる?
- どれくらい柔らかくする?
- 指はどれだけ細かく描写する?
- 2匹がくっついた間の線の処理はどうする?
その時点で未確定な部分を見つけ、具体化するためにラフアニメを作っては、制作関係者のみなさんに共有していきました。
また、同時にAfter Effectsでビデオコンテ制作も進め、「それぞれの動きの間(ま)をどうするか」もとい「どこに限られた尺を割り振っていくか」等の意見交換を重ねていきました。
ビデオコンテのバージョンをいくつも作り、最終的に映像の尺は「25秒」で落ち着きました。尺の制約がなく、内容に尺を合わせられるのも、オリジナルアニメーションの良いところだと感じます。
制作工程(ツールについて)
ガッシュとフィーノは、「輪郭線なし、色はベタ塗り、陰なし」というシンプルなキャラクターということも考慮して、
動きのラフは、「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」の手書き、
実際の作画と仕上げは、「Adobe After Effects」で進めていきました。
After Effectsでは、ベジェ曲線のシェイプパスを使ってキャラクターを作ることにより、今回の場合だと最終に近いルックで動きを調整することができ、通常の2Dアニメで採用される手書き作画とは、また違ったメリットがあります。
クリスタで制作した手書きのラフ原画をAfter Effectsに取り込み、
それをガイドにシェイプで動きの制作と画の仕上げを同時に進めることで、手書きとデジタルアニメーションの良いところ取りを目指しました。
制作工程(改善について)
ある程度の進捗があるたびに、ディレクターの堤さんをはじめ制作関係者の方々に都度報告し、チェックをして頂きながら進めていました。
制作を進めていくと、当初は思いつかなかったアイデアが出たり、「もっとこうしたい」という改善点が見つかってくることがあります。
初期のコンテの流れでは、2匹が登場してお互いをくすぐりあい、最後は転がってロゴとなりますが、「このキャラらしさをもっと出せないか」という意見が出てきました。
これは、本動画が一番初めの短いティザーであることから、コンテ制作当初には省かれていた視点でしたが、
現状コンテの流れをベースに「ガッシュ&フィーノらしさをより足すには」を、制作を進めながら検討することになりました。
当初のキャラ設定では、2匹が色を付けたり形を出すときは、胴体から手を出して念じるような動作をする想定でした。
アニメーションをする自分視点でも、どんな表現がしっくりくるのかを作りながら試しつつ、相談のたたき台にしていきました。
検討の末、「必ずしも手を出さずとも能力が使えても良いのではないか。」という意見から、くすぐりあっている場面でお互いが刺激を受けて、キャラクターらしいエフェクト要素を放出するような演出に変更となりました。
今後の同キャラのアニメーション制作の自由度を確保することも考慮し、現状の案に対してもフィットする改善案に落ち着いたと思います。
各キャラのイメージを、以下のようなビジュアルのエフェクトに落とし込み、追加のアニメーションを制作しました。
- フィーノは色を付ける → 「絵の具のスパッタリングのような、アナログ感のあるにじみの質感(赤を基調とする)」
- ガッシュは形を作る → 「くっきりとした線で描画された、幾何図形など様々なシェイプ群(青を基調とする)」
完成
2025年の年末、12月24日のクリスマスイブ。
無事、アニメーションを完成させることができました。
映像の音声は、堤さん・青木さん・三浦さんなど、制作関係者の方々に並行して進めていただき、当初無音の時と比べても、にぎやかで可愛らしい雰囲気に仕上がりました。
本稿をお読みの後にご視聴いただくと、また異なる視点で観ていただけるかもしれません。
それでは、今後のガッシュ&フィーノの活躍にもご期待ください。





